【税理士が解説】資本金を増資する目的とメリット・デメリット
会社の成長フェーズや資金繰りの課題に直面した際、資本金の増資を検討する経営者の方は少なくありません。
本記事では、資本金を増資する本来の目的や、具体的なメリット・デメリットについて税理士の視点から解説します。
資本金を増資する目的
資本金を増資する主な目的は、会社の財務基盤を強化し、経営の安定性を高めることにあります。
自己資本を厚くすることで、債務超過のリスクを回避し、不測の事態にも耐えうる強固な経営体制を築くことが可能になります。
また、資本金の額は会社の規模や体力を示す客観的な指標のひとつと見なされるため、金融機関や新規取引先からの信用力を向上させる狙いもあります。
事業拡大や設備投資に必要な資金を、返済負担のある借入金に頼らず調達することも、増資を行う重要な動機のひとつです。
資本金を増資するメリット
資本金を増資するメリットは、銀行融資などの借入金とは異なり、原則として返済義務のない安定した資金を確保できる点です。
これにより手元のキャッシュフローに余裕が生まれ、長期的な視点での事業投資が可能になります。
また、貸借対照表上の純資産が増加するため、自己資本比率が向上し、財務内容が改善される効果も期待できます。
財務体質が健全化すれば、金融機関からの格付け評価が上がり、新たな融資を受ける際の条件が有利になる可能性も高まります。
さらに、建設業許可など特定の許認可取得において、一定額以上の財産的基礎要件が求められるケースもあり、増資によってこれらの要件を満たすことで事業活動の幅を広げられる点もメリットといえるでしょう。
資本金を増資するデメリット
一方で、資本金の額が増えることによる税務面でのデメリットには注意が必要です。
法人税法や地方税法では、資本金の額を基準に課税区分が設けられています。
たとえば、資本金が1000万円を超えると消費税の免税事業者になれない場合があるほか、法人住民税の均等割額も高くなります。
さらに1億円を超えると、中小企業向けの軽減税率が適用されなくなったり、外形標準課税の対象となったりすることで、税負担が増加する可能性があります。
また、増資の手続きには登録免許税や専門家への報酬といったコストが発生することも無視できません。
第三者割当増資を行う場合には、既存株主の持株比率が低下し、経営権のバランスに影響が及ぶリスクも考慮しなければなりません。
まとめ
資本金の増資は、財務基盤の強化や信用力の向上に有効な手段です。
一方で、資本金額によっては税負担が増加する可能性があるため、メリットとデメリットを慎重に比較する必要があります。
自社にとって最適な資本金額やタイミングを判断するためにも、具体的な税負担の試算については、税理士などの専門家へ相談することをおすすめします。











