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中堅企業向けの賃上げ促進税制|対象や要件など

人材確保に向けた賃上げを支援するため、令和6年度改正で中堅企業枠が新設されました。

本記事では、中堅企業向け賃上げ促進税制の概要や対象、実務上のポイントについて解説します。

 

中堅企業向け賃上げ促進税制の概要

賃上げ促進税制とは、従業員の給与支給額を前年度より一定以上増加させた企業に対して、その増加額の一部を法人税額から控除できる制度です。

従業員の処遇改善を税制面から強力に後押しするために設けられました。

これまでは大企業と中小企業の2区分でしたが、新たに中堅企業枠が新設され、従来の区分では恩恵を受けにくかった企業も適用しやすくなりました。

適用を受けるには、決算時に要件を満たしていることを確認し、確定申告書に明細書を添付して申告する必要があります。

 

対象となる企業

本制度の対象となるのは、青色申告書を提出している法人です。

中堅企業の区分は、資本金の額が1億円を超えるなど中小企業者等に該当しない企業のうち、常時使用する従業員数が2000人以下の企業です。

単体での従業員数が2000人以下であっても、支配関係があるグループ会社全体の従業員数や資本関係によっては、当該法人が大企業区分として扱われる場合があります。

また、資本関係などの判定結果によっては、当該法人に中小企業向け税制が適用される場合もあります。

 

適用を受けるための主な要件

適用を受けるための基本的な要件は、継続して雇用されている従業員の給与等支給額が、前年度と比べて一定割合以上増加していることです。

中堅企業の場合、原則として3%以上の賃上げを行うことで、その増加額に一定の控除率を乗じた金額を法人税額から差し引くことができます。

さらに、より高い賃上げ率の達成や、教育訓練費の増加、子育て支援などの上乗せ要件を満たすことで、控除幅が拡大する仕組みとなっています。

ただし、要件を満たしていても申告手続きを行わなければ適用されない点に注意が必要です。

 

実務で押さえておきたいポイント

最も重要なのは、自社が中堅企業の区分に該当するかどうかの事前確認です。

資本金や従業員数の判定を誤ると、適用要件や控除率が大きく変わり、税額計算に誤りが生じます。

また、給与等の範囲には賞与や残業代が含まれる一方、退職金は除外されるなど、集計のルールが厳密に定められています。

マルチステークホルダー方針の公表が必要になるケースもあるため、決算直前ではなく、期中の早い段階から準備を進めることが重要です。

 

まとめ

中堅企業向け賃上げ促進税制は、積極的な賃上げを行う企業の税負担を軽減する有益な制度です。

しかし、適用区分の判定や控除額の計算は複雑であり、専門的な知識が求められます。

制度を有効活用し、申告漏れや誤りを防ぐためにも、早い段階で税理士に相談し、自社に合った進め方を検討することをおすすめします。

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代表税理士紹介

  • 代表税理士
    久我 晴幸(くが はるゆき)
  • 所属団体
    東京税理士会
  • 経歴

    高等学校卒業後2年間、都内の病院に勤務

    昭和59年3月 病院を退職

    昭和59年4月 専門学校に入学し税理士資格を目指す。

    平成5年5月 東京税理士会 世田谷支部(事務所開設)

    平成6年4月 東京税理士会 渋谷支部に移転とともに独立

  • 業務経歴

    (1)税理士事務所 勤務

     税務会計業務(決算、申告業務ほか)

     不動産税務業務(マンション・アパート経営者に関する税務業務)

    (2)不動産鑑定事務所 勤務

     鑑定・調査業務(不動産の現地実査・法令調査から価格査定)

    (3)コンサルティング会社 勤務

     相続・事業承継の相談及び提案業務

     不動産等の活用相談及び提案業務

事務所概要

名称 久我事務所
所属 東京税理士会
代表者 久我 晴幸(くが はるゆき)
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